日本に住んでいる限り避けられないのが地震、水害などの自然災害です。
近々起こるだろうと言われている南海トラフ巨大地震や首都直下型地震など、自然の脅威が人類に与える被害は甚大だと予想されます。
また、自然災害以外にも工事現場での事故や火災など、仕事中に不測の事故が起こる可能性もありますよね。
とはいえ
「会社で災害が起こった際、どう行動すればいいのか分からない」
「実際に社内で事故や災害を目前にした際、パニックになって何も身動きが取れない」
という方も多数いるのではないでしょうか?
そんな時、普段からVRを導入し安全・防災教育を行っていたらどうでしょうか。
VRはバーチャル・リアリティ(Virtual Reality)の略で、「仮想現実」とも呼ばれています。
専用のゴーグルを装着することで、コンピューターが作った世界で現実に極めて近い体験を得ることができます。
VRを導入することで、よりリアルに災害や事故を体験することができます。
その結果それぞれの災害や事故に応じた行動パターンが身に染みつくので、全員の危機感が高まり、防災意識の向上を図ることができます。
この記事では
・「災害が起こった際どう行動していいのか分からない」のはなぜ?
・安全・防災教育にVRを導入する3つのメリット
・実際に安全・防災教育にVRを導入している事例
という項目で解説していきます。
「会社や組織で安全・防災教育を強化したい」
「社員や家族を守るために災害に備えたい」
という方がいましたらぜひご一読くださいね。
「災害が起こった際どう行動していいのか分からない」のはなぜ?
学校、企業において安全・防災教育を行っているにも関わらず、いざという時に行動できない人が多いのはなぜでしょうか。
現状の安全・防災教育の問題点を「リアリティ」と「優先度」という2つのキーワードに分けて考えます。
リアリティが感じられない現状の安全・防災教育
日本財団が若者を対象にした安全・防災教育のアンケートを行ったところ、約3割の方が「学校での防災教育は役に立たない」と回答しました。
理由としては以下の通りです。
「危機感が感じられない」
「いまいちリアリティがない」
さらに被災経験のある人だと以下のような意見が出てきます。
「実際に災害が起こると想定外の事態が多発する」
「校内だけでなく様々な場面を想定して行うのが大事」
事実、地震や水害などの自然災害はいつ何時起こるか分からないので、上記の意見のように学校や企業の安全・防災教育のみでは全てをカバーすることができないのは確かです。
企業の中で安全・防災教育は現状優先度が低い
現状、企業での安全・防災教育の投資優先度は極めて低いです。
その理由は「目に見える利益が期待できないから」だと言えるでしょう。
特に中小企業などでは先行き不透明な日本の景気により、安全・防災教育に資金を投資している余裕がないのが現状です。
しかし安全・防災教育を十分に実施できていないと「いざという時どうすれば良いのか分からない」という事態になります。
冒頭でご説明した通り、今後巨大地震や津波などの自然災害が起こる可能性の高い日本において、会社や社員を守るために安全・防災教育への投資は必要不可欠となってきます。
安全・防災教育にVRを導入する3つのメリット
それでは、安全・防災教育にVRを導入することで防災意識にどんな変化があるのでしょうか。
ここでは、企業や組織が安全・防災教育にVRを導入するメリットをご紹介していきます。
メリットは大きく分けて3つあります。
- 災害をよりリアルに感じることで防災意識が向上する
- 多様な災害シチュエーションを疑似体験することで災害時のパニックを避けることができる
- 企業や組織は会社や社員を守ることができる
それぞれ詳しく説明していきます。
VRを導入するメリット1 災害をよりリアルに感じることで防災意識が向上する
VRを安全・防災教育に導入することによって、全員の災害に対する危機意識向上が見込めます。
理由として、VRゴーグルを装着することでコンピューターが作った様々な災害を疑似体験することができるからです。
火災、地震、水害、建設現場での事故など、普段あまり身近にない災害を、視覚と聴覚を通してよりリアルに体験することができ、今まで座学で再現性の低かった防災訓練と比較すると「危険」に対しての肌感覚が敏感になり、防災への危機意識がより一層高まります。
VRを導入するメリット2 多様な災害シチュエーションを疑似体験することで災害時のパニックを避けることができる
VRを安全・防災教育に導入することによって、災害時のパニックを避けることができます。
【メリット1】でも申し上げましたが、VRを活用することで様々な災害シチュエーションを疑似体験することができます。
例えば以下のような場面です。
【巨大地震が発生した時】
【津波などの水害が起こった時】
【社内で火災が起こり鎮火する時】
【建設現場などで転落事故が起こった時】
それぞれの場面でベストな行動、避難経路はどれか、予めVRに熟練者の行動パターンをインプットさせ、安全・防災教育で実際に社員にシミュレーションを行ってもらいます。
実際にVR上で社員が行った行動や避難経路を、熟練者の回答とすり合わせることで、自分の行動や避難経路がベストではないことに気づきます。
VRにインプットした熟練者の行動パターンをしっかり覚えることで、実際に災害時にその通りに行動でき、パニックに陥るのを避けることができるのです。
VRを導入するメリット3 企業や組織は会社や社員を守ることができる
VRを導入するメリットの3つ目は「企業や組織は会社や社員を守ることができる」です。
VRを活用した安全・防災教育を行うことによって全員の防災意識が高まります</bよね。
また「この状況にはどんな行動をするのがベストなのか」ということも明確になります。
その結果、災害時にパニックになる社員が少なくなり、適切な行動を行い身の安全を確保することができるようになります。
というのも、一度大きな自然災害が起こると、企業や組織は立て直すのに莫大なリソースを割く必要がありますよね。
そして立て直すためにはお金の面は当然ですが、社員が無事でいることも必要不可欠です。
社員が無事でいれば会社をまた1から立て直すことも不可能ではありません。
なので企業や組織は、会社や社員を守るためにも、安全・防災教育への投資は惜しまずにいたいものです。
実際に安全・防災教育にVRを導入している事例
それでは実際に企業や学校などの組織が安全・防災教育にVRを導入した事例をご紹介していきます。
5G・VR活用のバーチャル災害体験を実施:富士通・NTTドコモ
予測的な避難行動を社員に促すために、富士通株式会社と株式会社NTTドコモは5GとVRを活用したバーチャル災害体験プログラムを実施しています。
このバーチャル災害体験では、8K360度のリアルタイム映像に豪雨による水害を想定したコンピュータグラフィックス(CG)を重ね合わせることで、災害が発生した際の街の変化の様子を360度の画面で視聴体験することができます。
また、映像を視聴しながらVRの画面上に表示された避難行動や避難方法を実践することで、より臨場感を得られる防災訓練となり、視聴者の防災意識の向上を目指しています。
参考資料(https://iotnews.jp/archives/149990)
さまざまな労働災害をVRで体感:凸版印刷
凸版印刷株式会社は、作業中に潜んでいるさまざまな危険行動をVRで体験することで、効果的な安全教育を行うことができるVRコンテンツ「安全道場VR」を製造業向けに製作しています。
製造業の作業員が頻繁に事故を起こす作業である
- 「カッター作業」
- 「機械稼働」
- 「高所作業」
- 「エアーブロー清掃」
- 「可燃性溶剤火災」
- 「機械点検」
- 「機械清掃」
という7つの状況をVRで再現しています。
「安全道場VR」を導入することで、テキストや座学研修以上に危険感覚を身に付けることが容易になります。
危険感覚を身に付けることで、作業中に起こる不測の労働災害を未然に防ぐことができますね。
参考資料(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000334.000033034.html)
火災ビル避難を疑似体験 防災センターにVR設置:さいたま市
火災が発生した際の判断力やベストな行動パターンを市民に身につけてもらうため、さいたま市は市防災センターにVRで火災を疑似体験できるコーナーを設置しました。
内容としては、体験者は専用ゴーグルをつけ、火災が発生したビルから脱出するという流れになっており、体験者は誘導灯を頼りにベストな避難経路を探し、ゴールとなる非常口を目指します。
VR内で再現されたビル内は常に非常ベルが鳴り響いており、体験者は煙を多く吸い込まないよう姿勢を低く保つ必要があります。
このように、実際の現場で起こっていることや、必要なことを忠実に再現しているVR空間で火災を疑似体験することによって、市民の防災意識の向上が見込めますね。
参考資料(https://www.sankei.com/region/news/190607/rgn1906070036-n1.html)
まとめ
企業や組織が安全・防災教育にVRを導入するメリットを再度まとめると以下の通りです。
- 災害をよりリアルに感じることで防災意識が向上する
- 多様な災害シチュエーションを疑似体験することで災害時のパニックを避けることができる
- 企業は会社や社員を守ることができる
災害の多い日本に住んでいるからこそ、普段から臨場感を感じて安全・防災教育を行うことが重要です。
今まではテキスト・座学研修がメインで、いまいち臨場感の感じられない防災教育でした。
しかしそのあり方が現在、VRの発展により変化しようとしています。
VRはゲームやアミューズメントの枠を飛び越えて各分野に応用されています。今後5Gや通信産業の発達によってさらなる進化も期待できるでしょう。
安全・防災教育での活用や産業利用におけるVRの制作・導入は、より高品質で効果的な利用のために、専門家に依頼するのが良いでしょう。
ロマンテックジャパンは、高品質・低価格で、BtoB向けのVR制作・導入を行っています。安全・防災教育や産業利用におけるVR制作・導入の際は、ぜひロマンテックジャパンまでご依頼ください。