タイトルを見て
「VRを活用した医療って実際どうなんだろう」
「VRってエンタメのためのツールでしょ?医療に応用できるの?」
と思った方も多いのではないでしょうか。
事実、VRはアミューズメントやエンターテイメント分野での発展が目覚ましいです。
しかし現在、国内外問わず医療現場にもVRを導入する動きが見られています。
というのも、医療現場へのVR導入はたくさんのメリットがあるからです。
例を出すと
- 手術のアシスト
- リハビリ・トレーニングのアシスト
- 医師への研修・教育
- 遠隔医療への応用
など、医療現場でも多岐分野に渡って活用されています。
「でも具体的にどう役に立っているか分からない」
「実際にVRが使われている事例を知りたい」
という方のために、この記事では
- 医療にVRを活用するメリット5つ
- 国内外の医療VRの最新事例3選
- 医療のVRの今後の発展について
以上のことを説明・解説していきます。
「医療VRについて詳しく知りたい」
という方はぜひご一読くださいね!
※【VRとは】
バーチャル・リアリティ(Virtual Reality)の略で、仮想現実のこと。
コンピューターなどによって、本物のように作られた仮想空間を体感できる技術のことを指す。VR技術によって作られた空間や映像を見るために、HMD(Head Mounted Display)と呼ばれる「頭部に取り付けるゴーグル」のような装置を用いることが主。HMDを装着することで、VR技術によって作り出された仮想現実を体感することが可能。
医療現場にVRを活用するメリット5つ
それでは早速、医療現場にVRを導入するメリットをご説明していきますね!
メリット①今まで見えなかった患者の患部が視覚化できる
医療VRを導入することで、患部を3Dで表示してくれます。
それにより、従来肉眼で目視できない幹部、2D画像でしか判断できなかった疾患において、ドクターがより視覚的、直感的に患者の状態を把握できるようになりました。
おかげで、より効果的に治療のシュミレーションを行うことができますね。
メリット②効果的なインフォームドコンセントができる
ドクターが患者や家族に疾患を説明する「インフォームドコンセント」においても、VRを活用することで、効果的な説明を行えます。
3D映像を用いて行えば、本来難しい疾患や治療の説明を簡単に分かりやすくできますよね。
分かりやすい説明を行うことで、治療を受ける患者さんの不安を取り除くことにつながります。
メリット③医学教育の現場で役に立つ
VRは医療教育現場でも役に立ちます。
VRによって心臓や臓器を3D映像にすることで、学生たちはよりリアリティを持って臓器の構造や働きを学ぶことができます。
また、教える側である医師も、3D映像により具体的で正確な説明を行うことができます。
従来のテキストベースの学習と比較すると、医学生たちの理解度もアップするはずです。
メリット④治療シュミレーションを何度も繰り返し行うことで、名医の技術に依存しなくなる
手術のシュミレーションにおいてもVRは活躍します。
- 難易度が高い
- 模型での訓練が難しい手術
- 名医の腕に頼っている治療
なども、VRを用いた3D手術のシュミレーションを繰り返し行うことで、医者間のレベルの差が埋まり、同じ品質での治療を患者に提供できます。
VRによる医学教育が発展すれば、わざわざ地方から首都圏に足を運び、名医に頼る必要がなくなりますね。
メリット⑤仮想体験によって痛みや不安、精神疾患が改善される
現在研究が進んでいる分野として
「仮想体験によって痛みや不安、精神疾患を改善する」
というものがあります。
これは脊髄損傷などで歩行困難な患者に対して行われた例ですが、VRで自分の足先を映した画面を見て歩行訓練を行うことで、訓練を受けた患者さんが足先の感覚や運動能力を少しずつ取り戻し始めた、というものです。
本来であれば回復しない状態にあった症状を、ここまで回復させるアシストができるVRは、とても驚異的で先進的なツールだと言えるでしょう。
国内外の医療VRの最新事例3選
それでは、実際に医療現場にVRが導入されている国内外の事例をご紹介していきますね。
医療VRの事例①【腎結石手術】VRで事前にシュミレーション:名古屋市立大学大学院
臓器の中で最も血管の多い【腎臓】の手術には熟練の技が必要だと言われています。
そこで名古屋市立大学大学院の医療チームは、VRを活用した腎臓の手術シュミレーションを導入し、手術の安全性を高める試みをしています。
これまでは患部のCT(断層撮影)画像を参考にして手術を行っていました。
しかし、CTは平面画像であるため、血管を傷つけてしまったりなど、不慮の手術ミスが多く、安全性の面で問題があると議論されてきました。
VRの専用ゴーグルを見ながら手術を行えば、臓器や血管が3Dで見えるだけでなく、専用コントローラーで操作すれば、臓器を回転させ多角度から観察可能。これにより、針を刺す深さや、臓器までの距離を正確に測れるようになります。
同大学の教授によると
「VRでシミュレーションをすることで、短い時間で安全に手術を終えることができる」
とVR技術を絶賛しています。
参考記事:腎結石手術 VRで安全に 事前にシミュレーション
参考URL:https://www.chunichi.co.jp/article/feature/iryou/list/CK2019041802000309.html
医療VRの事例②医師のトレーニング向け医療VR:「GuruVR Multi-View」
本来、医学生が手術トレーニングを行う際、高度なスキルの習得が求められます。
しかし、手術トレーニングを実践できる環境を提供が追いついていない、という課題がありました。
ジョリーグッド社の「GuruVR Multi-View」というシステムでは、5Gの高速回線を活用し、医療研修の内容をリアルタイムで複数の拠点へ配信できます。
同じVR空間でのコミュニケーションが可能なので、講師である医師がVR内で出す指示やアドバイスなどを遠隔地で受講している医学生たちと共有することができます。
さらに同じくジョリーグッド社が提供する「医療用VR研修ソリューション」では、実際に手術を執刀する医師と同視点でのVR体験を可能にしています。
これにより、医学生の医療スキルを効果的に上げることができますし、教育できる医学生の数を増やすことができますね。
また、同一クオリティの研修を行うことで、医師間の医療スキルの差を埋める効果も期待されます。
参考記事:医療業界で普及進むVR!コスト削減や効率化などの様々なメリット
参考URL:https://vrinside.jp/news/post-165046/
医療VRの事例③PTSDやトラウマセラピーに有用:Limbix
VRは「PTSD」「トラウマの克服」「不安障害」などの分野にも進出しているのをご存知でしょうか。
米Limbix社が、トラウマ・恐怖症などの心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対して有効なVRセラピーサービスを提供しています。
具体的な例としては、交通事故などでPTSDを起こし、実際に車で現地の事故現場へ行けない方などを対象としたセラピーサービスになります。
交通事故後にPTSDを発症すると、車を運転する際、患者さんのトラウマがフラッシュバックし「車に乗るのが怖い」という感情が生まれることがあります。
そこで、VRを使用して仮想現実の中でセラピーを行ないます。
交通事故PTSDのセラピーの映像は、車の外側に5台のHDカメラを取り付け、運転しながら実際に撮影したものを使っています。
患者さんはVRゴーグルを装着して、過去に自分が交通事故を起こした状況の中を運転していくことにより、PTSDを少しずつ改善していきます。
また、セラピストが患者さんと同一の仮想空間を見ながら、心理状態を確認したり、精神を安心させるようなアドバイスをすることで、患者さんにとっても心強い治療法になります。
参考記事:ゲームだけじゃないよ。VRがトラウマセラピーに活用される
参考URL:https://www.gizmodo.jp/2017/08/ptsd-vr_therapy.html
まとめ
ここまで「医療VRのメリット」「国内外の医療VR事例」について説明してきました。
再度医療VRのメリットをまとめておくと以下の通りです。
- 今まで見えなかった患者の患部が視覚化できる
- 効果的なインフォームドコンセントができる
- 医学教育の現場で役に立つ
- 治療シュミレーションを何度も繰り返し行うことで、名医の技術に依存しなくなる
- 仮想体験によって痛みや不安、精神疾患が改善される
国内外の医療VRの事例からも分かる通り、今やVRはアミューズメントやエンタメを飛び出し、医療分野にも応用されています。
- 難易度の高い名医の技術頼りの治療
- PTSDや不安症などセラピーが必要な治療
- 莫大なコストがかかる医学生の医療研修
上記のような、従来であれば頭を悩ますような状況であっても、VRを導入すれば改善を図ることができるかもしれません。
VRは高額なイメージがあるかもしれませんが、現在は各社が様々なVRを開発しています。
そのため価格競争が進み、低価格で入手できるVRサービスもあります。
ぜひこの機会にVRを導入してみてはいかがでしょうか?
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※この記事は事例を紹介するものであり、医学的なアドバイスをするのもではありません。医学的なアドバイスが必要な際は、医師などの専門家にご相談ください。