安全教育をVRで-他人事から自分事へ-

 

他人事の安全教育は、終わりました。これからの時代は、自分事の安全教育です。

 

近年、VR技術は私たちの生活に、浸透しつつあります。VR元年と呼ばれた2016年から、すでに4年。当時のVRといえばゲームや映像コンテンツなど、レジャー目的での活用が主でした。

 

しかし、ここ最近では、航空・不動産・観光・教育・スポーツ・広告・医療・建設など、様々な業界での活用が進んでいます。それもそのはず。時代は、所有から体験へと移行しているからです。

 

音楽業界などが良い例です。昔の音楽業界といえば、CDを購入して聴くというのが当たり前でした。ですが、最近は月額料金を払うことで、音楽が聴き放題のサブスクリプションが一般的です。

 

物を購入して所有する時代から、体験を購入して楽しむ時代へと変わったのです。そんな時代の到来に合わせて、発展してきているのがVR技術です。VR技術も、まさに体験型サービスの1つです。

 

不動産を内見するにも、施設を見るにも、研修を受けるにも、現地に出向くのが当たり前でした。その常識がVR技術の登場により、変わろうとしています。VR技術の特徴を活かせば、わざわざ現地に出向かずとも、様々な体験ができるようになります。

 

そして、今回ご紹介するVR技術を用いた安全教育”もその1つです。VR技術と安全教育の融合は、VRの特徴をとても上手く活用した事例です。冒頭で述べた“自分事の安全教育”に欠かせないのがVR技術です。

 

本記事では、工場や倉庫、車両など、安全教育に課題を持たれている方や企業に向けて、VR技術を用いた安全教育のメリットと活用事例”をご紹介します。

 

※【VRとは】

バーチャル・リアリティ(Virtual Reality)の略で、仮想現実のこと。

コンピューターなどによって、本物のように作られた仮想空間を体感できる技術のことを指す。VR技術によって作られた空間や映像を見るために、HMD(Head Mounted Display)と呼ばれる「頭部に取り付けるゴーグル」のような装置を用いることが主。HMDを装着することで、VR技術によって作り出された仮想現実を体感することが可能。

 

安全教育へのVR技術活用方法

安全教育をVRで-

早速ですが、VR技術を用いた安全教育とは、どのようなものでしょうか?

キーワードは、“あらゆる状況の再現”“没入感”の2つです。

 

VR技術を用いれば、様々な環境や状況を再現することができます。加えて、360度の全方位映像により生み出される圧倒的な没入感。これにより、行ったことのない場所であっても、まるでその場にいるかのような体験を可能にします。

こうしたVR技術の特徴を用いて、安全教育では以下のように活用されています。

 

1.あらゆる状況を再現

第一に、あらゆる状況の再現に活用されています。安全教育訓練とは、危険な事象が発生することを想定して、それが起こらないように防止する訓練。または危険な事象が起こった際の対応訓練が該当します。

 

たとえば、工場内の安全教育訓練では、フォークリフトや車両との接触事故。屋外での車両操作であれば、様々な天候を想定しての操作練習。頻繁に起こる状況から、めったに起こらない状況まで、あらゆる状況を再現して訓練することができます。

 

2.自分事に捉えられる

第二に、自分事に捉えることができます。言い換えるならば、当事者意識を持たせるということです。従来の安全教育といえば、主なものは座学。自動車教習所が良い例でしょう。過去の事故事例を指導者から聞き、時には事故映像を視聴して、その危険性を学びます。

 

しかし、こうした教育訓練によって、一体どれだけの人が自分事に捉えられているでしょうか?

いくら映像を見ていても、実際に自分がそれを体感したわけではありません。真の意味で、事故にともなう危険性や恐怖を知ることはできない。

 

そして、知ることができない=どこか他人事の話になってしまう。それゆえに、事故は繰り返されてしまうという側面もあるはず。この他人事になってしまう意識を、いかに当事者意識へと転換させるかが、安全教育の肝ではないでしょうか。

 

そして、その意識転換に役立つのがVR技術です。

VR技術であれば、前述の通りあらゆる状況の再現が可能。それこそ事故体験や死に繋がるような危険な状況でさえも、再現できます。そして、再現した仮想空間を、圧倒的な没入感で体験することにより、本当に事故に遭ったような恐怖を感じるでしょう。

 

リアルな恐怖を知ることで、従来の教育方法では難しかった“当事者意識を高める”ことが期待できます。VR技術を安全教育に活用することは、以上のような方法やメリットがあります。次では、実際の活用事例をご紹介していきます。

 

 

安全教育におけるVR活用事例

安全教育をVRで-

ここからは、安全教育にVR技術を活用している事例をご紹介していきます。

ご紹介する活用事例は、以下の3つです。

 

1.JAL

2.鉄道総合技術研究所

3.ロマンテックジャパン

 

順番にご紹介していきます。

 

1.JAL

最初にご紹介するのがJALの活用事例です。

JALでは、航空機の牽引車訓練にVR技術を活用しています。これまでの牽引車訓練では、時間や場所などの制約があり、訓練期間も長期に渡ります。

 

こうした制約を解決し、航空機牽引の技術者を早期育成するため、JALは牽引訓練用のVRシミュレータを共同開発しました。このシミュレータは持ち運び可能なため、遠方にある地方空港においても牽引訓練が可能。

 

また、あらゆる状況を再現できるVR技術の特徴を活かし、雨や雪などの様々な気象条件を設定して訓練が可能です。加えて、360度映像を活用することで、従来のシミュレーションでは再現できなかった“振り向いたり”“覗き込む”といった動作にも対応しています。

VR技術の特徴を、有効活用した事例です。

 

 

2.鉄道総合技術研究所

次にご紹介するのが「鉄道総合技術研究所」の活用事例です。

「鉄道総合技術研究所」は、鉄道技術および鉄道労働科学に関する研究開発や調査を行う公益財団法人です。

 

「鉄道総合技術研究所」では、触車事故防止を目的としたVR体験型教育手法”を開発しました。

この教育手法が生まれた背景は、現場社員の「大丈夫だろう」というルール遵守意識の低さによるものです。

 

このVR体験型教育では、体験者は作業現場を再現したVR空間内で保守作業を行います。保守作業を行っていると、列車の接近に気づかず触車事故を起こしてしまうという事象を体験。これにより、“適切なタイミングで退避するという意識づけ”が期待されます。

 

実際、この教育を実施したことで、実施前よりも早期退避を完全遵守する人が増加したそうです。事故の危険性や安全対応のタイミングなど、実際に経験してみなければ分からないことも多いでしょう。本当に事故を経験することはできませんが、“本当に事故を経験したかのような体験”はできます。VR技術がそれを可能にします。

 

3.ロマンテックジャパン

最後にご紹介するのが、弊社「ロマンテックジャパン」です。

VRコンテンツ制作会社である弊社でも、VR技術を用いた安全教育コンテンツを開発しています。

 

倉庫や工場内での事故防止訓練をVRによって実現できます。VR空間内に工場や倉庫を再現。工場で活用されているフォークリフトの運転訓練を行うことが可能。この訓練を実施することで、作業員との出会いがしらの接触事故や巻き込み事故などの防止に寄与します。

 

その他にも、ビルなどゴンドラ上での清掃作業における、落下防止訓練もVRによって実現できます。ゴンドラ上で作業を行っているところから、ワイヤーロープが外れて落下する事故を体験可能です。実際に清掃作業を実施する中での事故を体験できるため、従来の訓練と比較して当事者意識を持っていただくことが期待できます。

その他、安全教育のコンテンツを、安全教育現場の課題に合わせてカスタマイズで開発いたします。

 

 

※1参考資料:日本初、航空機の牽引訓練にVRシミュレータを導入

URL: https://press.jal.co.jp/ja/release/201904/005136.html

※2参考資料: 9. 触車事故防止のためのVR体験型教育手法

URL: https://www.rtri.or.jp/rd/seika/1-09.html

※3該当ページ: 安全教育・事故防止訓練VR

URL: https://vr.romantech.co.jp/safetyvr/

 

安全教育をVRで-

VR技術がもたらすのは当事者意識

安全教育をVRで-

いかがでしょうか? 安全教育におけるVR技術の活用方法と、その事例をご紹介してきました。繰り返しになりますが、VR技術の特徴である“あらゆる状況の再現”“没入感”が安全教育分野において、有効活用されています。

 

旅行や観光地の再現が、興奮などのプラス感情を喚起させるのに対し、事故の再現は恐怖などマイナス感情を喚起させるもの。このマイナス感情の喚起が、当事者意識の植え付け=安全教育においては大切です。実際に事故が起こってからでは遅く、本当の事故を起こさないために、本当に事故を起こしたような体験が必要ではないでしょうか。

 

こうしたリアルな恐怖を体感することは、これまでの教育方法では難しいといわざるをえません。話を聞いたり、映像を視聴しただけでは、その場では気をつけようと思っていても、時間が経てば忘れてしまいます。

 

その点、VR体験で得られる強い恐怖感は、当事者意識を薄れさせないために役立つでしょう。もちろんVR体験であっても、一回経験しただけではいずれ感情は風化します。しかし、VR技術を用いた教育コンテンツを作成し、機器を導入すれば何度でも体験訓練が可能になります。

 

そうなれば教育や研修コストを削減しつつ、事故発生による重大な損失を未然に防ぐことができるでしょう。重複しますが、事故は発生してからでは遅いのです。こうした事故防止対策は、企業にとってはコストでしかありません。それでも事故防止のために、安全教育の質を向上させていくことが必要ではないでしょうか。

 

安全教育に課題持たれている方や企業にとって、本記事がVR技術を用いた安全教育の参考になりましたら幸いです。

 

最後に、安全教育におけるVRコンテンツの制作・導入は、より高品質で効果的な利用のために、専門家に依頼するのが良いでしょう。

ロマンテックジャパンは、高品質・低価格で、BtoB向けのVRアプリケーションの開発・導入を行っています。安全教育におけるVRコンテンツの開発・導入の際は、ぜひロマンテックジャパンまでご依頼ください。

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